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マイク指向特性の相違で驚愕の性能差

 宣伝カーの性能上のトラブル発生と云うことで、あれこれ調査した結果、主原因はマイクロフォンの指向性の違いに在ることが判明。音楽用高性能マイクと、街頭宣伝用マイクとは全く別物として実地試験で選択する必要があることが確認できた。拡声器には単一指向性マイクロフォン(Uni-Directional microphone/Cardioid)が必須でああることは設営マニュアルにも保守調整マニュアルにも明記しているところだが、拡声器用としては同じ「単一指向性マイク」でも、指向特性の鋭さの違いでハウリング限界が大きく異なりボリュームを下げる必要を生じて、その分弁士が大きな声を求められて、大声を出し切れなくなることが明らかになった。

 対応方法としては、実地試験で広範囲にハウリングを起こしにくい方向のあるマイクロフォンを選別するか、屋外の拡声器に実績のある販社の実績に頼り、街頭宣伝用機種を入手すれば解決する。比較試験用の標準品を定めて持っていれば、新たなマイクの選別も簡単に出来る。概ね、音楽録音用や、安価なカラオケ用マイクは指向性が悪く街頭宣伝用には適さない。
マイクの指向性
マイクの指向性図
原点O」に対して、
無指向性マイクの感度は方向に依らず一定
   G(θ)=1 ・・・・・・・・・・・円
双指向性マイクは
   G(θ)=│cosθ│ ・・・・8の字
双方を代数的に加算して 
   G(θ)=1+cosθ 
・・・・ Cardioid:心臓型
 実際の構造はマイク2本の電気加算ではなく、マイク1個の振動膜の一部に裏側方向からの音を当てることで単一指向性を実現している。構造的にかなり微妙なので低感度方向の感度を落とすのがなかなか難しく、後ろ側の音を拾いやすい「単一指向性マイク」が出来てしまう。

私のマイク遍歴    <1>

 私自身は外見の著しい傷や、ユニット部取り出しなど信頼性を損なう修理をした自家修理品の中から、使いやすい製品を拾って「マイ・マイク」として1〜2本確保し、時にそれを故障代替として引き渡してきた(廃棄品を修理・復旧した25W出力610mmΦ折返しホーンのマイ拡声器と共に常に1〜2本は手元にある)が、これまでのスピーチマイクの使用実績では、音楽用の周波数特性の良いエレクトレット・コンデンサーマイクは湿気に弱く、劣化しやすいことと、指向性が良くなくハウリングを起こしやすいことで使用を止めて、丈夫なダイナミック・マイクロフォン(ムービング・コイル型マイク)とし、音波の位相差で急峻な指向性を得るガンマイクは試用してみたが大きすぎて屋外スピーチには適さなかったので、双指向性マイクと無指向性マイクの和差により単一指向性を構成する一般的方式の指向性マイク(右図赤線)を使ってきた。

 工場構内集会では松下通信工業製スピーチマイクが歯切れ良かったため長らく使い、その買い換えではプリモ製品、カート型拡声器には予備品のUni-Pex製をいくつか使ってきた。これらは街頭宣伝に適する製品だった。
 途中、予備として購入した音楽用のSONYの単一指向性エレクトレット・コンデンサーマイク3本は、ハウリングしやすく、また1本が雨に当たって劣化し使用に耐えなくなったため録音専用として引き上げた。

 今回試用比較のハウリングを起こしやすい単一指向性マイクはブランドからしてどうも音楽用らしく、事前に点検・整備した約20本余中には、街宣用のUni-Pex製品はあまり多くなく、有っても助手席用の安価な扁平型で、他はカラオケ用、音楽用と思われるマイクだった。
 この辺の製品選択は、映画のプロが多数居た某地域が、若干高価でもしっかりした製品を使っていて、そことは様子が違った。当初は選挙ごとに候補者カーに\10,000.の新品マイクを1本配布し、保有の整備品2本と併せて3本を配していたのを「結構豪勢!」との印象を持ったのだが、そのしっかりした特性と、活動期間中の機器消耗度合い(12年=3本×4年任期)を見るときに、実に適切な映画現場のプロの感覚だと納得したのだった。See→拡声器修理実績ほか。当時のUni-Pex製拡声器マイクロフォンのラインナップは定価\40,000.、\10,000.、\7,000.で、団体割引が適用された模様だが、その中間品:定価\10,000.が選ばれていた。現行機種ではどれだろう?

思わぬ悪戦苦闘!過去の未解決も解消    <2>

 今回の不具合では、代車手配と共に現車を送ってもらい、まずは実運行テストをしたが、若干大きな声が必要とされるほかは決定的な弱点は見つけられなかった。そこで、不具合を指摘した人に直接連絡を取って状況説明を求めると
  1. まる一日の運行が非常に疲れて、弁士が保たない。他車のマイクに取り替えても同様。
  2. ときどきブルブル変な音になる。大きな音の時か?
  3. 広い野原で試験しても分からないだろう。反射のある街中で運行テストを求む。
  4. あんな小さい、ガムテープでボロボロのアンプじゃだめだ。
 というので、なかなか状況が理解できず、しかし20年以上の大ベテランの強い申し入れは捨てられないので、詳細点検することにした。

ボロボロは士気阻喪の元    <2.1>

 第4項目は、小さなマイクコントロールアンプを車のダッシュボードにガムテープで止めてあって、見るも無惨なボロボロ・ベタベタ状態で、欠陥や悪印象を大きく深くするのはもっともなので外して大掃除をした。ダッシュボードもガムテープを剥がして削り取って溶剤に浸して拭いてを繰り返して見違えるようにし、既に清掃済みのスペアーのコントロール・アンプと積み替えて、動作試験を始める。

250Wアンプで62W(1/4)max接続!取扱説明書の保存要    <2.2>

 拡声器のパワーアンプは250W出力のしっかりした製品(NAS-250C型)が後部荷物室に設置されていて、問題なく動いている。ガムテープベタベタのコントロールアンプのすさまじいみすぼらしさが、欠陥を大きく印象づけてはいる。普通の人には後部の大きなパワーアンプの存在に気付けなくても無理はない。パワーアンプは前後方向を125Wづつに分けて2台のアンプで分担する方式。それなのに2本のスピーカーを右側のアンプに繋いで8Ω//8Ω =4Ω負荷になるのを、出力インピーダンス8Ω設定で受けていて、左側のアンプは無接続だから、実際のアンプ出力はおそらく60W余しか出ていない!
 これを左右両側のアンプに1本ずつ繋ぎ直して、出力インピーダンス設定を両方とも8Ωにした。これで定格通り、両方併せて250W出力になる。これまでは最大出力250Wの1/4の60Wで運行していたことになる。(だが、これは「疲れる」原因にはならない。1/4=−6dBの出力低下では元と比較しないと聞きわけられないからだ)(後述、最大出力動作試験が必要)

 アンプの取り扱い説明書には接続図入りで解説があり(取説:NB-1502Dp6上、NB-1502p7下側ほか。設営時に取説をチラ見すればこういうもったいない使い方はしないのだが、メンテナンス資料として保存する風土は何処の地区にも無い様で、パッケージの段ボール箱と共にゴミとして真っ先に捨てられてしまうのが普通である。機材利用者に大いに指摘して取説と保証書のパイプファイルを管財係などに管理させるか、接続略図をアンプの通風冷却を妨げない場所に貼っておく必要があるのだが、ワイヤレスマイクのチャンネル設定表まで全部捨てられていて何処にも存在しない。(See→ワイヤレスマイク取説NB-1502Dアンプ取説。切実に必要なのは旧機種なのだが)

看板のビビリ共振が酷く気になる    <2.3>

 動作を確認しながら、宣伝カー自体のみすぼらしさも無くそうと、埃まみれの車体を雑巾で清掃していると、方向不明で井戸ポンプの動作音に似た音がサラウンド効果を伴って響いてくる。確かに異様で、発言中にこんな音がしたら気になって仕方がないだろう。
 1棟置いた先に井戸ポンプはあり、その動作音だと無関係なので音を聞きに行くが、方向の分からないサラウンド感が無いので、似た音ではあるが違う。車に戻って反対側から音を聞いていると、エンジン音が変わって突然異音が始まる。注意深く音の方向を辿ると、ベニヤ板の看板枠にネジ止めで貼ったプラスティック看板が大きく波打って、それがベニヤ板に当たってビビリ音が聞こえる。
2アンプ拡声器結線図
2アンプ式の結線図
スピーカー代用負荷抵抗8Ω
上75W/下100W(アンプ大出力試験用) ダミー負荷抵抗
 指を添えるとピタッと止まる。#2項の異常はこれだ!2月の寒い時期に設営して暖かい5月になってプラスティックが温度差で伸びて弛み、それにカークーラーの振動が伝わってビビリ共振になっていた。張り直しか隙間への詰め物でこれは収まる。
 看板のビビリ共振は、スピーカーの音でも起こすことがあり、看板取り付け溝にマッチの軸を挟んで抑えたこともあった。ガタがあると発生するが、離れた位置にいる聴衆は気付かない。だが弁士の神経を疲れさせるので、事前の運用試験で発見して対策した方が良い。

大出力でリレーが落ちる!    <2.4>

 大出力宣伝カーのアンプのフルパワー試験というのは出来る環境がほとんど無い。人里離れた海辺とか競馬場広場とかで、聞き役の助手を連れて「街頭宣伝」として確かめるのが最後の手段だが、若干でも数値特性を見たいときには、ホーンスピーカーに代わるダミーロード抵抗器を繋いで(図1)試験する。たとえば、220Ω5Wの抵抗器14本を並列に繋いで接続リードを付ければ15.7Ω70W負荷となり、120Ω5W15本並列で8Ω75W負荷(図1写真上側)になってパワーアンプ出力を熱として費消して試験が出来る。 丹念に探せば4Ω50W〜16Ω50Wという製品も時折販売されていて、放熱アルミ板にネジ止めして使う(図1写真下側4Ω50W×2直列で8Ω100W)。
 車への搭載前に、ストックしていた全パワーアンプをこの方法で試験したところ、小出力では正常に動作するのに、大出力だと電源リレーが落ちてしまうセットを発見。これでは本番で使えない。 どうも電源系のフューズなどに接触不良が有るのか遅延起動のパワーリレーの接点が接触不良なのでは(See→回路図)?と推測しているが、密閉リレーで確認できない。See→#0008〜#0009修理記事。 この電源落ちを「マイク断線しかかり」と誤認した様で、荷札記載症状がどうしても再現しないマイク2本を預かって、運用実験して様子を見ていた。プリント基板直付けのリレーのほうは代替品も分からないので資金のあるときにメーカー修理に回すよう云って手を引くことにした。(自分のものならバラしてみるが、まだダメモトとは行かないので:4年〜8年の放置で「ダメ元」化。改造修理'18/12

決定的違い!マイクの指向特性    <2.5>

 ここで閃いたのが、特性の分かっているマイ・マイクロフォンを持ち込んで、実車で比較試験をしてはどうか!回送された車にマイクロフォンは付いて来なかったから、予備のストック品も動員して比較試験をしてみよう!と思い立ち、最大出力試験を兼ねて、人家からは遠く離れた人気のない某海岸通りで「街頭宣伝」することにした。
 すると「断線しかかり」タグの付された金色マイクロフォンでは、実に抜けの良い音が響いて全く問題なし。そこで前日に運用試験した某音楽系ブランドのマイクロフォンを使ってみると、音がくぐもっていて、更に非常にハウリングを起こしやすいうえ、大声を張り上げても先の金色マイクロフォンに敵わないのだ!すなわち主たる原因はマイクロフォンが街頭宣伝に適した指向特性でなかったこと。そこで断線しかかり不良と誤認された金色マイクとストックから選んで使いやすい2本を付けて宣伝カーを送り返し、性能の劣るマイクロフォンは「街頭宣伝不適」の札を付けて隔離保存となった。
(なお、現在のUNI-PEXの選挙用推奨機種はMD-58型\.の模様。OEM先不明)

[補足]
 「音楽用」だから適さないのではない。指向特性が不適で不感方向の感度が高いものは街頭宣伝には大変使いづらいということだから、安物はいい加減な指向特性でも、超高級カラオケマイクの実質が、指向特性の良い高級マイクロホンの外装を特に絢爛豪華に装飾した、基本部分は同じ良いものである可能性もある。最終的には使ってみての選別だ 。
 いぶし金、燻し銀ケースとか、鮮やかな赤や黄色、青色のケーブルで出演者を引き立てるというのは、電気音響技術とは別の分野だから、そこは確たる方針を持って選択することだ。
 かってスタジオ関係の技術者が華やかな雰囲気の某都議候補用につや消し金色のボディーに深紅のケーブルのマイクロフォンを提供してくれて、それは候補者に非常に良くマッチし、その時は「奇蹟の当選」を果たした。服装やメイキャップは討議・検討されているようだが、手に持つマイクロフォンも候補者映像の一部だ!とそのとき思った。
 一般的には大抵はマイクロフォンの黒のケーブルには乾燥した泥が付着して白っぽくなっている。これを両端のコネクター部を除いて水洗いしてから雑巾で拭き取り、黒いケーブルに戻すだけで雰囲気が締まる。だから事前整備時には全数を中性洗剤で洗って清拭した。裏方は特に雨の日に選挙カーが帰投したらケーブルの清拭はルーチンとして行った方が良いだろう。

かって経験し、未解決だった    <2.6>

 じつはこのモゴモゴ現象はかって経験していて、解決できなかった現象だ。上図「2アンプ式の結線図」内にある「低域遮断濾波器」は、プラスティック・ホーンのスピーカー口径が非常に小さいために男声が通りにくいのかと思い、低域遮断濾波器の試作基板を挿入して一定の改善は得られたのだが、十分ではなく、口径の大きいアルミ鋳造ホーンの車では差がなかったので使いにくい違和感を抱えたまま運行した。そこでは弁士がみな大声でも平気なので使いこなせたのだろう。デモ行進なら窓を閉めれば音が遮断されてハウリングは起こしにくいから使える。確かに窓を開けて1日中連続でしゃべる用途には使ってなかった。

ハンドマイクにも単一指向性マイクが必要
   単一指向性ワイヤレスマイクが標準か    <2.7>

腐食した電極バネ
電池液漏れで激しく腐食・折
損した電池ホルダー電極バネ
ハンドマイク勢揃い
同時斡旋販売のTOA製は'08/06に事前
整備した約100台に無く総てUNI-PEX製
 従前使っているハンドマイクでは、ワイヤレスマイクでは単一指向性マイクを用いていたが、コード式のマイクでは無指向性マイクが添付されていて、ハウリングを起こしやすく、大声が求められて大変使いにくかった。最大出力自体は30W〜40Wほどあって、発音能率の良いホーンスピーカーなのだから、外部マイクとしてスピーチ用の単一指向性マイクを使えれば良いのだが、信号レベルが合わず使えない。だから、街頭宣伝用としては、非常に高価なワイヤレスマイク式を使わざるを得ない。(See→ハンドマイクでの単一指向性マイク利用)

 かって基板に雨水が入って故障して淘汰されたTOA製のハンドマイクが、近年、新設計となり雨も入りにくい様で、ワイヤレスながらかなりの低価格で売られていて、民主党や自民党などの候補者が使っているのを見かける様になった。ところが、斡旋品をマイ・マイクとして購入してすぐに故障されてしまった経験を持つTOAユーザーは、同時斡旋で未だに動作するUni-Pex製品を見ながら臍を噛んでいる訳で、余程のことがなければTOAには戻らないし、その惨状を見ているUni-Pexユーザーも近寄らない。
 Uni-Pex製のコード式の値段以下で、ワイヤレスのハンドマイクを売り出して、サンプル製品を実際に使ってもらう方法を考えれば復活の目は有ると思うのだけど、あの使用寿命の大差はいかんともし難かった。
 もっともUni-Pexハンドマイクでも濡れたときの手入れが悪いとTOA製同様に短寿命だったから、粗雑な扱いをするところでは寿命に大きな差は無かったかもしれない。現に、激しく腐食した電極バネ写真はUni-Pex製品のものである。写真の器材は補修部品を購入・修理して使っているが、メンテ体制が貧弱だった時代では、多くの場合廃棄処分になってしまったろう。代理店販社が不良旧型買い換えを強力に勧める中で、大阪工場の技術部門に直接連絡を取って補修部品を入手したことがあるが、現在では各地方支店に補修部品を持っている。

2011/05/25 22:55

かちかち山防止、地絡保安フューズ採用    <3>

 UNI-PEX車載拡声器マニュアルの接続図で、バッテリー端子接続部に保安フューズが無いため、地絡すると発火のおそれがあり、メーカーに見解を求めると、以降の接続図を改良すると連絡があった問題は、コントロールアンプと出力アンプが一体になった製品NDA-602Aなどで実現されていた。(p5図2注2=●バッテリーと機器の接続時には、バッテリーの近傍に保護装置(ヒューズ等)を入れていただくと、より安全性の向上を計ることができます。)
 だが大出力用結線図は従前の直接配線のままなのだが、これは入手が楽な市販の自動車用フューズの最大容量が30Aだから、これを超える大出力アンプには実装が難しいのと、有る程度の経験者が実装することが前提なのかもしれない。 250W出力のNAC-250C型では、ハウリングを起こすと30Aフューズでは飛んでしまうから、200W機以上には電力用のフューズを使うことになり、車内にスイッチボックスを付け、木板を設置するなど実装が大掛かりになり、なかなか大変だが、業者への発注仕様としては触れた方が良い。
 だが、150W出力のNB-1502Dの電源フューズが30A(+1A)、NB-1502では20A×2本(+1A)だから30Aフューズで足り、改良図を取扱説明書に挟み込むなど簡単な工夫が欲しい。工場の技術が99年の指摘で対応を表明してから11年以上も経っている。地絡フューズは必要で、私がNB-1502型150W以下のアンプを実装する時には必ずバッテリー端子直近に30Aを挿入している。

 というのは、私が経験した地絡事故は調整中の発煙事故だけで、すぐ接続を外して無事だったが、現実に発火事故に遭遇した方がやはり居らした!遊説中に突然室内に大量の煙が吹き出して、すわテロ攻撃か!と皆で車を飛び降り避難したが、とりわけ新人国会議員候補Yさんが畑の中に逃げ込む姿は大変革命的であった!って、どうせ丸焼きにするんなら、もう少し美味しそうなのにして、とか幸いにして無事だった事件の冗談交じりの裏話に大爆笑だったのだが、バッテリー端子近くに地絡フューズを設置していれば、そのフューズが飛んでスピーカーの音が止まるだけで済んでいた。

 久しぶりに製品カタログをのぞいたが、デジタルアンプ化された150W出力機が従前NB-1502→デジタルNB-1502Dと替わって主力機になっている。一昨年のデジタル機は2006年新発売の300W/150W出力機だったから、主要製品である大都市部の市議選用上位機種がデジタル150Wにされたことになる。今後は中小出力機もほとんど全機種が急速にデジタルアンプ化されるだろう。TVなど家電はとっくに「1ビットアンプ」などとしてデジタル化している。
 音量だけを云えば、中級の60W機でもさほど不足は無いのだが、それを使用する人の気持ちが昂揚するかどうかと云う要素もあるし、設営をちょっと間違えると1/2〜1/8出力(−3dB〜−9dB)にもなり、現実に1/2〜1/4出力での運行もかなり多いので、若干のゆとりを持った選択は妥当だとおもう。電子技術者出身の某市市議2名がずっと自前の60W出力機を使っていたが、これは専門知識からその中味を理解していてフルパワーを引き出せるからのことだろう。喧噪を極める広い駅前広場での街宣なら「戦艦武蔵」2400W(=対60Wで40倍:+16dB)出力も妥当だが・・・・内容とTPOを分かって使いたい。

2011/05/27 18:00
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