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NB-1502/NAS-250C落下抑止回路の試作
起動不良続出防止@バッテリー上がりでも非落下、

 8アンプ中7台が起動不良という特異な状況の基本原因が、アンプの電源にあること、すなわち充電量以上の消費でバッテリー電圧が下がり、起動状態を維持できなくなって主リレーが落ち、起動抵抗劣化焼損や主リレー接点破損を引き起こしたと思われ、年末大晦日までに全数の修理を完了して、前ページ#0008に顛末報告した。 本来メーカー修理が望ましいのだが、新しいモノでも1998年製の銘で、10年以上昔にメーカー対応を終えていて、このままでは廃棄処分しかない状況で保管していたから「ダメ元」の修理に取り組むこととなった。 その故障:起動不良はいわゆる選挙特需対応の信頼度の極端に低い製品のものではなく、使用環境条件と設計に関わるやもしれないもの。 現行機種の定価で言えば150W機が\140k.300W機が\230k.なのを旧250W機、150W機4台8アンプを3〜4万円で生き返らせることが出来れば、資金をかなり不足がちのホーン・スピーカーに回せる。

 アンプ出力にダミー負荷抵抗(8Ω75W〜100W)を繋いでの動作試験では、バッテリーが放電するにつれて、電源電圧が10V前後に落ち、音楽のピークで8Vを切ると主リレーが落ちて、すぐ復活する動作が確認された。 応答速度の遅いテスターでの電圧観測だから瞬時値としては半分の6V以下で落ちていると考えるべきだろう。 それは大電流を遮断する状態だから、主リレー接点は損耗するし、瞬間的な過負荷で起動抵抗も劣化するだろう。 主コンデンサーが充電されて電圧上昇してON化する電圧(起動電圧)は回路定数から推定して5.4V〜6.4V余と思われる。
リレーが一旦起動すれば落ちる電圧はそれよりかなり低いはず。それでも落ちるのだから、瞬時電圧はかなり低下している。

 対応方法としては、主リレーが落ちなくする工夫として、
1).充電量を増やすためローギア運転でエンジン回転数を上げて運行、
2).補助バッテリーを搭載するなどバッテリー容量を大きくして充電量を増して充電放電を均衡させる、
3).アンプ電源落下を感じたら、音量を絞るよう徹底する、
4).一旦起動したアンプは、電圧降下しても落ちないようにする。少なくとも自動車が電圧低下で走行不能になるまでは落ちないようにする。(設計仕様要求=修理ではない)
といった手立てが考えられる。
 1).3).項はマニュアルカードを車内に吊るし、口頭でも徹底することで故障低減が可能。
2).は設営側の注意で、実績で150W出力のNB-1502(150W機)〜NAC-250C(250W機)がバッテリー増強なしで使って起動不良を頻発させているので、今後は補助バッテリー搭載、大容量化が望ましい。

4).の保持回路は、原回路にはない新機能で、部品交換修理には馴染まない。 しかし主リレー回路丸ごとを別基板で構成して無理矢理修理した3台については若干の部品付加で保持回路を構成できるはず!と、正月休みに考えたのが以下のホールド回路である。 主リレー駆動のスイッチング・トランシスターの飽和電流と、主リレー自体の落下電圧の兼ね合いであるが、落下電圧が低い場合はその分落ちにくくは成り、起動不良故障は減る。リレー落下動作が卓越していれば効果は無い。やってみるしかない。 テスターに電流増幅度hFE測定レンジと、ダイオード電圧降下測定レンジが有って直読出来るので、その値に合わせて比較的正確に回路定数を決めることが出来る。 また外付き追加基板で簡単に外せるので、起動抵抗が焼損してもフューズ代わりに容易く交換可能である。
 さて、試作結果は如何に!落ちる電圧はちゃんと下がっているか?& SW−OFFでちゃんと切れるのか?(起動抵抗に直列のダイオードD9は、主コンデンサーの帯電を遮断して、リモートONリレーRY3を直ちに落ちるようにするものである)
 結果は、電源の落ちる電圧は下がっているが、バッテリーの劣化が著しいと、大電流時にその限界を簡単に下回るので卓効が感じられない。 落ちずに救済される範囲での運行なら卓効だろうが、「落ちない」というのは認知されないから、改良後の起動不良の発生率の多寡で後日気付かれれば理解される。

 落下抑止回路を3台試作したが、効果が無かったモノが1アンプ、若干は効いたか?と思われるモノが2アンプで、卓効は見られなかった。残る5アンプには、外付き主リレー基板無しに復旧させたこともあり、落下抑止回路は付加していないが、卓効がない以上、今後作成の代替増設基板には載せても、現在正常動作している装置への新たな設置は無用である。(設計段階なら入れても良いが)
結局、重負荷で電源リレーが落ちないような電源(=バッテリー)を準備すべきだ、というのがオーソドックスな結論。
保持機能付き起動回路 for NAC-250C/NB-1502:/fig/_PA/nb1502xx.jpg
NB-1502全回路図→click
外付き基板結線図
基本回路図
     アンプ起動回路&落下抑止回路
主リレー落下の報告Tag  5年前に主電源リレー落下の情報は有った。 だが主電源落下が起動不良故障(起動抵抗劣化焼損、主接点導通不良)に至る認識がなかった。
See→#0004-2.4
←起動不良NB-1502添付メモ。
 主電源起動不良機は8年前1基、4年前2基あり放置、今回搭載前点検中に起動不能発生で全4基の修理に取り組む。See→#0008
 充電不足にならない様にする手立てとしては、
宣伝放送中に主回路が落ちたら、ほんの少し出力を下げ(=卓効※)、
宣伝放送中のエンジン回転数を高めにして走る=ギヤをD:ドライブではなく1速ローLで走る。
それでも落下が頻発すれば、夜間等事前にフル充電して準備しておくことで回避できるはず。
 宣伝カーには以上を記した簡易マニュアルカードを運転席にぶら下げるなどして周知を図る。

※拡声器アンプの動作電流は、音量をほんの僅か下げるだけで大きく下がり、充電不足に対応できる。
体感の音量は、その分解能が3dBとされており、注意深い人でようやく気付く音量の上下だが、物理的な出力としては2倍あって、電圧、電流が√2倍で、アナログの拡声器では出力部の電流が約√2倍違ってくる。 動作時の平均電流が150W機のNB-1502で10A、250W機のNAC-250Cで15Aとして、音量分解能ギリギリの3dBの出力を下げると、音量低下にはまず気付かれないが、直流電流も1/√2に減少して7A〜10A平均となって、その分、充電されてバッテリー上がりが救済される有効度の高い対策。 最大定格電流を言えばNAC-250Cは41A、NB-1502は25Aで、小型自動車の走行用バッテリー40AH〜55AHにそのまま繋ぐ運航には無理があるのだ。


2019/01/06 24:00
(A4版縦置き 85%)

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