2005年大検数学解答    memo()


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Last update: 2005/10/10       (05/10/07作成)

[1]1.(2a+b+c)2 を展開すると
      [ア]a2+b2+c2+[イ]ab+[ウ]bc+[エ]ca
  [解] =[4]a2+b2+c2+[4]ab+[2]bc+[4]ca
 考え方としては (A+B)2=A2+2AB+B2 より、(b+c)を B と考えれば
  与式=4a2+4a(b+c)+(b+c)2       (末項2乗項に再適用)
    =4a2+4ab+4ac+b2+2bc+c2
    =4a2+b2+c2+4ab+2bc+4ca


[1]2. 6x2−x−2 を因数分解すると
    ([オ]x+[カ])([キ]x+[ク])
 [解]=([2]x+[1])([3]x−[2])
 (別解:根の公式:時間が掛かるが、答えは出る)
 式の値を0として、根を求めると、
 x={−B±√(B2−4AC)}/2A だから
 x={−(−1)±√(1−4×6×(−2))}/(2×6)
  =(8 or −6)/12
  =2/3 or −1/2
∴与式=6(x+1/2)(x−2/3)
   =(2x+1)(3x−2)

[1]3. √2/(√3+√2) は、分母を有理化すると √ケ−コ になる.
 [解]:a2−b2=(a+b)(a−b) の関係を利用して分子・分母両方に
   (√3−√2)を乗ずると、与式=√2(√3−√2)/(3−2)=√6−2
   となります。ケ:6、コ:2。

 「有理化」というのは有理数に変えること。分母が√nなら、分子・分母双方に√nを掛けて(=×√n/√n)を掛ければ、分母は有理数nに変わるが、分母が例題のように和の場合には (a+b)(a−b)=a2−b2 を利用して、分子・分母に片方の無理数項の符号が逆の値を掛けることで有理化する
 分母に無理数があると桁数が多くて近似値計算が大変だが、有理数に変換できると算出が楽になる。
 物理の単位系で「***有理単位系」というのは、全空間の立体角:4πで湧きだし量を割って、1立体角(ステラジアン:1m離れた点で1m2となる)当たりの値で定義するものを言う。例:Iカンデラの光源からは4πIルーメンの光束が発せられ、1m地点の光束密度=照度はIルックス(=4πI/4π)である。電気系はMKSA有理単位系≒SI:国際単位が主。ガウスとかエルステッドは使えないことになっている、が、磁性材料分野で死滅していない。


[2]1.一次不等式 2x−3≧4x+5 の解はどれか。番号を選べ。
 [解] 左右両辺から 2x+5を引くと −8≧2x、
   左右両辺を2で割ると −4≧x、
   すなわち x≦−4 の項番が正解。ア:「2」

[2]2.二次方程式 2x2−5x−1=0 の解は
 [解] x={−(−5)±√(52−4・2(−1))}/(2・2)
     ={5±√(25+8)}/4
     ={5±√(33)}/4
     ={イ±√(ウエ)}/オ    である。

[2]3. 1個60円のリンゴと、1個40円のミカンを併せて25個買い、合計の代金を1250円以内にしたい。このとき、リンゴは[カキ]個まで買うことができる。
 [解] 60林檎+40蜜柑≦1250円 ……(1)
    林檎+蜜柑=25 …………………(2) だから
    蜜柑=25−林檎 …………………(3) を(1)に代入
    60林檎+40(25−林檎)=20林檎+1000≦1250
    20林檎≦250
      林檎≦12.5 従って林檎は最大12個、[カキ]=[12]

[2]4.正方形の土地がある。この土地の縦の長さを1m長くし、横の長さを3m短くして長方形にしたら、その面積が60m2になった。このとき、もとの土地の一辺の長さは[ク]mである
 [解1] (ク+1)(ク−3)=60 が出題だから、整理すると
   ク2−2ク−63=0=(ク−9)(ク+7) ……因数分解法
   二次方程式の根としては ク=9 or −7 だが負の辺長はあり得ないから
   ク=9m となる。
   (変数名は本当はアルファベットx,y,z……にこだわる必要はない)
 [解2:根の公式による因数分解法] 解が閃けば直接因数分解した方が早いのだが
  ク={−(−1)±√(12−1・(63))}/1
   =1±√64=9 or −7、前解同様負長は不適につきク=9m

[3]1.二次関数 y=−(x+3)2 の概形として、最も適当なものはどれか。番号を[ア]へ記入せよ。
 [解] (1)係数が負なので上に凸、(2)x=−3で頂点、(3)そのy座標は0。この3つの条件を満たすグラフは[3]のみ。[ア]=[3]

[3]2.二次関数 y=x2−4x のグラフの頂点の座標は([イ],[ウエ])である。
 [解1] 軸のx座標=−B/2A=−(−4)/(2)=2。
    このときのy座標は22−4・2=−4。
すなわち([イ],[ウエ])=([2],[−4])
 [解2] y=x(x−4)だから、x=0,4がx切片だから、
    x=2が対照軸の座標で、x=−4となる。
すなわち([イ],[ウエ])=([2],[−4])

[3]3.二次関数 y=a(x−2)2+3 (aは定数)のグラフが
   (1,5)を通るとき,aの値は[オ]である。
 [解] 題意より 5=a(1−2)2+3
    即ち、a=2=[オ]

[4]1.二次関数 y=(x−1)2+4 において、xの変域を −1≦x≦2 とする
   とき、yの変域は [ア]≦y≦[イ] である。
 [解] 二次の係数が正なので下に凸で、対照軸のx座標はx=1 なので指示されたxの変域中のx=1に頂点(最小値)が存在し、変域両端(−1 or +2)のどちらかが最大値だが、x=1からの距離はx=−1の方が大きいから、こちらで最大値となり、その値は (−1−1)2+4=8、すなわち [ア]≦y≦[イ] は [4]≦y≦[8] となる。
 境界2については直接計算しても可。y(2)=5 だから変域の中間値になり境界値ではない。

[4]2.二次関数 y=x2+10x+k (kは定数)のグラフがx軸と接するとき、
   kの値は[ウエ]である
 [解] 判別式=0 がキー。52−k=0、k=25=[ウエ]

[4]3.右の図は、二次関数 y=−x2+9 のグラフである。
   二次不等式 −x2+9<0 の解はどれか。
 [解] y=−(x−3)(x+3) だから、二次係数が負で上に凸で、x切片(y=0のx座標)はx=±3、ということは−3〜+3の間は上に凸で正だから範囲外、従って
  x<−3、または 3<x が正しい。これは[3]項。

三角比表
角度正弦
sin
余弦
cos
正接
tan
16°0.27560.96130.2867
17°0.29240.95630.3057
18°0.30900.95110.3249
19°0.32560.94550.3443
20°0.34200.93970.3640

[5]1.A地点とB地点の間をケーブルカーが運行している。A地点とB地点の間の線路に沿う距離は1000m、A地点とB地点の間の高低差は300mであった。下の図はその様子を表したものである。
 このとき、水平面に対するこの斜面の傾斜角の大きさは(1)〜(4)のうち、どの範囲に有るか。最も適当なものを選べ。[ア](see 三角比表)
 (1).16度≦<17度
 (2).17度≦<18度
 (3).18度≦<19度
 (4).19度≦<20度

 [解] sin勾配角=300/1000=0.3000 だから、三角比表より、18度弱の17度台で有ることがわかり、範囲を示す不等号により(2)が正答である。
 土木・建築での勾配は通常、高低差を水平距離で割った正接で表すから、正弦での出題が落とし穴になっていることに注意。正弦は勾配抵抗である。

[5]2.cos160度は(1)〜(4)のうちどれか、最も適当なものを一つ選べ。
 (1). 0.3420
 (2).−0.3420
 (3). 0.9397
 (4).−0.9397
 [解] cos(θ)=−cos(180−θ) ∴
  cos(160)=−cos(180−160)
      =−cos(20)=−0.9397
  これは(4)である.

[6]1.tan135°の値は(1)〜(4)のうちどれか、正しい番号を一つ選べ。[ア]
 (1). 1/√2
 (2).−1/√2
 (3). 1
 (4).−1

 [解] tanθ=−tan(180−θ) だから
  tan135°=−tan(180−135)
      =−tan(45)=−1
   従って(4)

1〜4象限三角函数 誤答誘導三角比定義  2〜4象限(90度〜360度、0度〜−270度:例題5.2 & 6.1)の三角比をミスせず第1象限(0度〜90度)の値に換算するには、換算式丸覚えだけでなく、連続波形方式と単位円動径投影方式(右上図)の3通りが考えられる。正しく算出できればどれでも良いので、各自の感覚に合う方式で記憶されたい。時折初級の参考書に見掛ける筆記体のs、c、t方式(右図)では裏返しただけで間違えるので絶対避けること。

[6]2.角Aが鋭角で、cosA=3/4 のとき,sinAの値は √[イ]/[ウ] である。
 [解] sin2A+cos2A=1 より,
   sinA=√{1−cos2A}
      =√{1−(3/4)2}
      =√7/4
  鋭角:90度未満、鈍角:90度超〜180度未満

[6]3.右の図の三角形ABCにおいて、AB=2√2cm、AC=1cm、∠A=45°である。
   このとき、BCの長さは√[エ]cmである。
 [解] 第二余弦定理(右下図)により
   b2+c2−2bc・cosA=a2 だから
   BC2=(2√2)^2+1−2・2√2・1・cos45°
    =8+1−4√2・1・/√2
    =9−4√2・1・/√2=5
   BC=√5 cm  (負は辺長につき不適)

[6]4.右の図の三角形ABCにおいて、
AB=3cm、AC=2cm、∠A=120°であるとき、三角形の面積は ([オ]√[カ])/[キ] cm2 である。
 [解] sin120°=sin60°=√3/2 だから
   三角形の面積=(1/2)底辺×高さ
         =(1/2)3・2{√3/2}
         =3√3/2 cm2

[6]5.右の図のように、相似な二つの円錐形の容器P、Qがある。容器Pの底面の直径は5cm、容器Qの底面の直径は15cmである。容器Pにいっぱいに水を入れて、容器Qに水を移し替えることを繰り返すとき、丁度[クケ]回で容器Qがいっぱいになる。(図は自明につき省略)
 [解] 相似立体の体積比は、寸法比の3乗だから、
    [クケ]=(15/5)3=3×3×3=[27]倍
 [解’] 相似円錐の体積比は、まず底面積比が寸法比の2乗で、高さが寸法比だから、寸法比の3乗倍になる。すなわち、
    [クケ]=(15/5)3=3×3×3=[27]倍