宣伝カー用拡声器運行結果について.
1999-05-12
調布狛江府中地区委員会
’99/04アンプ保守担当 水島
   0424-**-****(M電機)
 このたびの統一地方選挙で、以下の拡声器トラブルがおこり、その都度、対処しましたが、特殊な条件の重なった1件を除き、マニュアルなどで従前の経験が受け継がれていれば事前に回避できるトラブルであるため、顛末をレポートとしてまとめます.
 
【今回本番中に発生したトラブル】        (知り得たもののみ)
[1] 地絡保護フューズの溶断事故による動作停止 (溶断値選択不適)
[2] 過電流保護フューズの劣化溶断事故による動作停止 (劣化に気付かず)
[3] 信号レベル不適切による動作異常 (AUX≠BOOSTER)
[4] 接続端子の緩みによる動作停止 (端子&接続位置&非固定×
[5] 放熱妨害による動作停止 (床置きが不適当.天井吊り下げ)
[6] 内部半固定ボリュームの接触不良 (事故記録があれば、事前対策可能)
[7] マイク・ケーブル内断線による動作停止 (事前運行なしに本番!)
[8] マイク・プラグ不良による動作停止 (事前運行なしに本番!)
[9] 雨水進入による動作停止 (対応策の不周知)
[10] ワイアレス・アンテナの切断/折損 ←(弱構造.不整備.扱い不注意)
[11] 低音大出力領域での激しい「混変調歪み」 元々の特性)
 
【事前発見、抑止方法】
(A)事前テスト運行 =[3][4][7][8] →レンタカーの場合は?
(B)取扱・決定基準の明確化 =[1][4][5]([10][11])
(C)点検基準の明確化 (点検漏れはあり得るが)=[2][6] ←見逃したかも
(D)取扱説明書、保証書の保存管理 =[3]
(E)改造・設計変更、装置の利用 =[10]
(F)マニュアル作成と、実経験の引継体制の追求 =(A)〜(E)
 
【応急処理と事後処理】
[1] 地絡保護フューズの溶断事故
 電流制限値の考え方を=「機器保護」→「車内の安全対策」に切替.=10A→20A
当初は、100Wパワーアンプの過負荷破損防止を念頭に、平均出力が1/3で、ピーク時にも切れない電流値として、100W/12V/効率75%/非溶断率125%規格≒8.9[A]と考えて、バッテリーからの電源取出し部に定格10[A]のフューズを挿入しました.これが、マイク1とマイク2を取り違えて音量調節したためにハウリングが止められずに連続して、フューズが破裂し動作停止となりました.
 方形波発振が続いても最大12.6[A]程度で、簡単には飛ばない電流値なのに、破裂してしまったフューズに元々異常があったものと思いますが、過負荷保護フューズはアンプに内蔵されており、更に同種のフューズを設けても誤動作の機会が倍加するだけで2重にする意味が薄いので、本来の地絡事故対策として、YMカー、MTカー共、たまたま入手できた20Aフューズに差し替えました.
 後日、○○の全6車が、この地絡フューズなしに運行していたことが分かりましたが、万一地絡事故の場合、配線が発火溶断するまで電流を止められないので搭乗者は大変危険な状態に陥ります.私自身も修理中に地絡事故を起こしましたが、匂いで地絡に気付いて配線をペンチで切断したときには、配線の銅が灼熱して露出しビニールはドロドロに熔けて黒こげになりましたし、あわてて配線を持った指先も少し火傷しました.一般の人がこうした地絡事故に遭えば、訳も分からず煙がでて発火し、手の打ちようもなくパニックとなって被害を拡げることも考えられます.車の出口方向で発火したら逃げ場がないのですから.(ライター・ソケットには地絡フューズが入っていますが、パワーアンプの大電流を取るには不安定で避けた方が良いでしょう.ライター・ソケットから瞬間最大値約13Aを電圧降下なしに取り出すには困難があります)
 
[2] 過電流保護フューズの劣化溶断事故 (劣化に気付かず)
 1970年製の25W拡声器で「パンフ販売」を行っているとき、11ヶ所を終わって、次にかかろうとしたら、全く電源が入らずにそこで中断.調べてみると直流側5Aの管球フューズが中央付近で飛んでおり、回路の地絡もなく新しいフューズ装着で回復しました.それは20数年間、殆ど毎月数回づつ使い続けたアンプで、配線は固定してセットされており、これまでフューズが飛ぶような異常動作は経験したことがありません.フューズの劣化に依るものと思いますが、それは私としても話には聞いていても初めて体験するトラブルでした.フューズの内部が見えれば交換可能ですし、10年を過ぎたものを無条件で交換するというのも一法で、公衆通信関係では現に行われていますが、希なケースでもあり、ハンドマイクも併せ搭載され、事務所にはスペアー・アンプも準備されており、致命的障害ではないので、これは発生時対応で良いと思います.
 
[3] 信号レベル不適切による動作異常 (AUX≠BOOSTER)
 後日の調査の結果、直接の原因は、コントロール・アンプの出力レベルが、Uni−Pex製アンプのAUX信号レベルの−20[dB]〜−14[dB]ではなく、0[dB](ブースター・レベル)なのに、パワーアンプの入力がAUXレベルだけで、ブースター・レベルが無かったために、YMカーの音量調整が極めて難しくなり、また、ラインから直接の録音が出来なくなっていました.(音響機器の標準は0[dBm]=600Ωで1mW)
 応急の対応策としては、信号ケーブルを延長して、音量調節可能のAUX入力に接続して、車の窓を開けた状態で、コントロール・アンプのマイク・ボリュームが3時の位置で軽いハウリングが起こるよう、パワー・アンプのAUX入力つまみを絞って使用しました.
 私が、ブースター・レベル(1V=0[dB])という「規格?」の存在を全く知らなかった(=AUX:100mVが特殊規格)上、調整の基準となるべき、「取扱説明書」、「仕様書」が散逸していて、コントロール・アンプを接続した使用状態でのレベル・テストが出来なかったために、この不具合を見落としてしまいました.
 パワー・アンプには、元々コントロールアンプの出力を接続する入力端子が存在しなかった=組み合わせてはいけない取り合わせだったのです.これでは使い回しが出来ないので、5台のパワー・アンプに自動切替付のブースター・レベル入力ジャックを設けて、ブースター・アンプとしても使える様にしました.
 
[4] 接続端子の緩みによる動作停止
 「ギボシ端子」は、自動車の車内配線の標準というべきものです.だから標準化には最適と思って採用したのですが、チョット配線が動いただけで接触不良を起こしたり、抜けてしまい、その都度修理に出向くことになりました.
 応急対策として、接続部前後のケーブルをヒモで縛ってつなぎ、引張力が加わらない様にして、更に、非固定だったYMカーのアンプをガムテープで床に固定したら落ち着きました.
 根本的には、接続部が床下になるのが拙いのと、もっとしっかりした接続方法が必要なので、アンプに接続用ネジ端子板を設け、ケーブルはツメ付の専用ケーブルとしました.
 
[5] 放熱妨害による動作停止 (床置きが不適当.天井吊り下げ)
 雨天運行時に、ビニールの雨合羽をアンプ全体に被せて過熱した結果、全く音が出なくなりました.当初は障害発生で呼ばれて出動の都度、到着すると正常に動作していて大変困ったのですが、たまたま手を触れてかなりの過熱に気付いて、パワー(ブースター)アンプの放熱孔を絶対に塞がない様、アンプの上に物を載せない様、改めて徹底したところ、それ以降は全く起こらなくなりました.
 しかし、いわば戦闘状態の搭乗者たちに、あれこれと特別の注意を求める発想は適切ではなく、発熱部には物を上に載せられない位置に設置するのが本筋でしょう.すなわち、天井付近に板を渡して、その上にパワーアンプを設置するとか、固定的な換気スペースを取って、冷却ファンを付ければ、「不注意で配線を蹴飛ばして外してしまった」り、「不注意で放熱を妨げる」事態はほとんど起こらなくなる訳で、たまたまの不注意を許容する設置形態を文書化するなどして引き継ぎ一般化していくべきです.
 
[6] 内部半固定ボリュームの接触不良 (事故記録があれば、当然に事前対策)
 それでも、「全く音が出なくなる」というのは明らかに故障と言うべきなので、後日、連続重負荷試験を行いました.音が歪むとか、熱で半導体素子が破損するというなら分かるのですが、全く出なくなってそのまま元に戻るというのは、どこかに接触不良や断線がある筈です.案の定、充電しながらの連続重負荷試験で6時間後にはバッテリーが上がってしまい連続試験が中断.過熱だけでは障害は再現せず、充電の間に分解して中をのぞくと、内部サブ・シャーシーに取り付けられたレベル調整の半固定ボリュームに、接点復活剤噴射の痕跡が無く、そのケースには乾燥した細かなほこりが付着しています.アンプを動作させて、このボリュームを動かすと、それまで固定されていた点でバリバリと音がして、接触不良となっていました.この端子の隙間から抵抗体の摺動面に接点復活剤を噴射して、ササラサラ音がしなくなるまで回し続けて治りました.(動作レベルの決まっているブースター・アンプというのは通常、「レベル調整ボリューム」は付いておらず、設計通りの固定された増幅度を持つものです.これを「調整」すると信号レベルの基準点が無くなってしまいます).ボリュームの接触不良に気付いて摺動接点用接点復活剤を買ったのですが、ブースター・アンプということでボリューム・コントロールが付いていないと錯覚して、再分解しなかったのかもしれません.
 本番中の不具合の原因としては、湿気の絡んだ高熱状態で、起こったボリュームの接触不良でしょう.高い信頼性を求められる高価なアンプなのに、密閉された「通信用ボリューム」ではなく、安価な一般民生用の開放型のボリュームを使っているため、その摺動面にホコリが吸着されて接触不良を起こすものですが、摺動面が解放されているために逆に接点復活剤の一吹きで接触不良が治ってしまいます.(通信型が高価といっても、メーカー間取引の大量生産品なので一般用1個50円と通信用100円程度が計5個分の違い).日常的に使っているものなら、こすられてホコリが落とされ、次第にサラサラ音からガリガリ音に変わっていくので早いうちに異常がつかめるのですが、早くて4年に一遍の出番(ハンダ忘れ1ヶ所、イモハンダ2ヶ所の「問題器」で、「○○用、○○商店不良交換」の書込から考えると12年以上前からガラクタ扱いで放置??)では、ホコリも分厚く積もっており、突然ドサッと異常が見つかって、次々異常が発見されたとしても無理からぬところです.この障害は、恐らく、事前のテスト運行をしても見落とされていたでしょう.
 今後の事前整備では、ブースター内部の半固定ボリュームについても、摺動接点復活剤の噴射を行うようにすれば、避けられるトラブルです.
 
[7] マイク・ケーブル内断線による動作停止 (事前運行なしに本番!)
 「マイクの不良」ということで点検したけれど、正常動作しており、接点は双方を良く磨いてあり「接触不良」とは違うらしく原因が分からず.「スペアーのマイクロフォンが全くないので暫く様子を見て欲しい」………と丸2日が経過し、夜、プラグを横方向に強く引くと音が途切れて異常を再現.
 取り敢えず成形モールドを全部はがしてワイヤーを直接ハンダづけしてビニールテープでグルグル巻きにして翌日1日使用.一方、ガラクタ箱を深夜にひっくり返して標準プラグを発見.翌日夜、これを交換.以降は安定運行となりました.
 直接的には、マイクコードを強く引きすぎて、次第に切ってしまうのだけれど、使用中に2本のマイクが絡んでしまい区別がつきにくくなるのがその「暴挙」のきっかけとなっています.マイクと操作パネルそれぞれに番号を書き込むことがかなり有効ですが、一目瞭然の区別には、ケーブルの色を違うものにするとか、片方を車内使用専用に短いものにして、区別を付けやすくするとよいでしょう.
 
[8] マイク・プラグ寸法不良による動作停止 (事前運行なしに本番!)
 新しいマイクロフォンと予備のケーブルが「ダメ」という附箋を付けて事務所のテーブルに置いてあったので、その動作を調べると、先端のミニ・プラグからみてマイクロフォンは動作しているのに、どのアンプに接続しても音が出ないことが分かり、よくよくみると、2本ともプラグの樹脂成形の位置が若干ずれて、プラグの金属部の露出長が1mmばかり短いことに気付いたので、プラグのコードを2本とも切断.しかし、標準プラグが手許になくて、樹脂が柔らかくて切削可能のものであることに気付いて、1mmほど切断すると、正常に接続するので、切断箇所を再びハンダ付けしてテープを巻いて補修.明らかな製造不良だが、事前テストですぐに分かるはずの不具合で、本番で気付くのは若干不注意でしょう.
 なお、ダイナミック型マイクロフォン自体の動作試験は、その可逆性を利用して、マイクスイッチをONにして、テスターのR×100抵抗レンジで抵抗を測定すると、マイクロフォンがスピーカーとして動作して、かすかに「カリカリ」言うので分かります.マイクロフォン・トランスを使っていない機種では、抵抗値は概ねインピーダンス値(600Ω等)を示します.
 
[9] 雨水進入による動作停止 (対応策の不周知)
 激しい雨の中を、ハンドマイク宣伝を続けて、全く動作不能になって持ち帰られた、青年応援部隊のハンドマイクを、遅くとも引き揚げまでに修理しようと、分解したところ、TOA製品はハンドマイクの上面に調整パネルがあって、ここに降った雨は隙間から総て回路内部に流れ込み、基板が絶縁不良となり、電池もビショビショ!マイクロフォンも内部が水浸しで、スポンジを外して絞るとボタボタと水が垂れて、まるで池に落とした様な有様でした.
 酸の含まれる雨水では腐食して折れる危険があり、どうせビショビショ!水道水で洗い流して、乾いた布やティシューで清拭、乾燥させ、再組立.最初はジャージャーと酷い雑音だったが、エアコンの温風を通して乾燥させるうちに回復!
 頑張ってもらうにあたり、雨水の浸入対策を周知してあげるべきだと思いました.ハンドマイク代は応援の学生にとっては一層の「大金」なのでしょうから.
[10] ワイアレス・アンテナの切断/折損 ←(弱構造!不整備.扱い不注意)
 障害の状況と、使用者の情報が正確に伝わらず、手を打てませんでした.当初「○地域のハンドマイクに雑音が入るので手すき時間に見て欲しい」と言われ、現物の到着を待っているうちに本番終了となりまたしが、到着した現物は××カー搭載機で、送信アンテナが根本からちぎれて十分電波が発信されず、受信範囲が狭くて運用に困ったはずのものでした.20分もあれば治せたものを、相談できる体制が確立していないために搭乗者に無用の負担がかかったものです.15台も一斉に走っている訳で、これまでの設営・整備担当者を集めてノーハウを集約整理し、整備拠点を設けて新人も育成配置し、ここに適切なスペアーを置いて、情報を集中し、トラブル時にはスペアーでしのいでいる間に対策しておく様にすれば、表の負担が軽くなる訳ですが、機材管理に限って言えば、集中性どころか、登録簿すらない自由分散主義で、誰が何を持っているかもほとんど分からないので、機材を互いに融通のしようがないというのには参りました.かなりルーズな企業でも考えられない無管理状態であり、早急に必要な限りの備品管理登録体制を整備・貫徹して、計画的な整備・更新・運用を可能にする必要を痛感しました.議員&候補、OB等関係者に保管機材のアンケートを行って、全体像を一覧表とし、損壊・散逸の前に適切な補修を行う必要があるでしょう.みな善意だから紛失せずに転がってるのでしょうが.
 
[11] 低音大出力領域での激しい「混変調歪み」 (元々の特性)
 当面の運用では、ホーン・スピーカーやアンプの「遮断周波数」や「下限周波数」より低い音域の人声の場合は、音質ツマミを「SPEECH」位置に切り替えて使用すれば気にならなくなりますが、話し手の声の持ち味がかなり損なわれます.その理由は「SPEECH」位置では、周波数が半分になる毎に出力が半減(−6[dB])という緩やかな減衰なので、遮断周波数(300[Hz]〜500[Hz])で十分な減衰量を得るには、1,000[Hz]近い周波数以下をカットする設定が必要だからです.
 これを避けるには下限・遮断周波数ギリギリまでを通して、それ以下の周波数は急峻に減衰させる高域フィルターの使用が望ましいのですが、ホーン・スピーカーの遮断周波数は、概ね「最大開口径」で決まり、スピーカー毎にフィルターの遮断周波数を設定するのが(同時切替部分が最低6〜7箇所と、多くて)製品コスト的に難しいのです.(←学生の演習として試作させれば大した材料費にはなりませんが、専門書を買い込んで解析したりの手間が大変!で、「理工学部政治学科在籍・本業休学中」ではチト荷が重いかも知れません)
 ホーンの遮断周波数以下になるとドライバーユニットの電気的インピーダンスが急激に下がって、アンプ出力を過負荷(半ばショート状態)にして駆動限界を超え、極端に混変調歪みを増やします.(家庭用・音楽用に使われる「コーン」スピーカーでは、可動コイルの直流抵抗が大きく、可動コイルの発電電圧(逆起電力)を無視できるため、影響ありません).
 
「混変調歪み」というのは、人声の聴感で言えば、「喉に痰が絡んだまま話をしている感じ」の濁って非常に気になる歪みです.
2種類の周波数の音を混ぜた入力を加えた場合、高い周波数の音が低い周波数の音によって振幅変調されて出力される歪みであり、これを数学的に整理すると、入力信号には全く存在しなかった、2音の周波数の和と差の周波数の音が発生していることが分かります.
 この項は、今後の技術的な(主に解析し値を計算し実験で確認する「気力=体力」の)宿題とします……定性的には結果の分かっていること….混変調歪みの悪影響を避けるために、最大開口径のなるべく大きな(=遮断周波数の低い)ホーンを使う様にして下さい.
 
【トラブル発生経過】
 アンプ修理の後、拡声器結線の標準化(自由な使い回し)を目指して、自動車内一般配線に通常用いられる「ギボシ端子」と、標準スピーカコード2Pコネクターを採用、前回以前に散逸させた接続ケーブル類とコネクターをあらかじめ復元しておき、直ちに設営可能としました.(パワーアンプ7台ほか)
 直接私が拡声器を設営したのは、レンタルの軽ワゴン車に、コントロール・アンプ +100Wプリ・メイン・アンプ(マツダ=YMカー)と、コントロール・アンプ+100Wブースター・アンプ(三菱=MTカー)の2台でした.
 私が事前に準備したブースターアンプ専用ケーブルは、1.5[m]余だったのに対して、設置の要求は、運転席と助手席の間にコントロールアンプを置き、荷物スペースにメインアンプを置くというので、配線のケーブル長が足らなくなり、1〜2[m]程の中継ケーブルを使って、床敷きの下に這わせました.この仕様のズレがほとんどのトラブルの元になっています.
 また、レンタル車に取付穴を開ける訳にはいかないので、MTカーは車内のフックに荷物ベルトを掛けてアンプを固定、両面接着テープ付の留め金具で配線を固定(撤去に備え、「剥離スプレー」を準備)、車内に固定金具のないYMカーは、アンプを床に置くだけとし、配線は車内のバーなどにビニールテープで固定しました.カシメ工具(¥7K〜)を持っていなかったため、車内配線に苦労することとなりました.
 この状況で、前記[1][3][4][5][6][7]のトラブルが発生した訳です.([8]は他車、[2][9][10]はハンドマイク)設営のノーハウが伝わっていて、事前の準備段階で要求仕様が分かっていれば、[6][7]以外のトラブルは起きずに済みました.[7]項も、従前のハードな使い方を知っていれば、単なる接続動作試験ではなく、もっと手荒い動作試験をしたでしょうから、発見されていたかも知れません.また、ブースター内部の半固定ボリュームの存在を認識していて、接触不良対策を行っていれば(∵他のセットは事前に8台39個=(4+1)×6+3×2+3全数対策済みで、1個だけ処置漏れでこのトラブルに)、[6]項も防げたはずのトラブルでした.
以上